今年のIT導入補助金、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

IT導入補助金という制度をご存知ですか?
中小企業、個人事業主が、売上アップ・業務効率アップのために導入するITツールに関する費用のうち、3/4まで、450万円までを日本政府が支払ってくれるという制度です。

 2017年からはじまったこの制度、毎年少しずつ補助金額や対象となるITツールの範囲が変わったり、交付決定率が年ごとに大きく異なっていたり、なにかと話題が多い補助金です。

 このIT導入補助金は、経済産業省が推進する事業です。私は経済産業省認定支援機関であり、ITコーディネータ(経済産業省が作ったIT経営専門家のための認定資格)協会のメンバーでもあるという関係上、経済産業局のIT導入補助金の担当者さまと一緒にこのIT導入補助金の制度説明会の講師を務めることも多く、一般的な経営コンサルタントさんよりはこの補助金制度のことについて詳しいと思いますので、この制度について、2020年8月9日時点での最新情報を共有したいと思います。

目次

IT導入補助金とは?

 2017年前から始まったこのIT導入補助金ですが、最初の2年間はホームページの制作だけでも補助金の対象となっていましたが、2019年からホームページの制作だけでは補助金の対象とはならず、顧客管理システムや業務システム、RPAなど、業務効率化のためのIT導入に関する取り組みが補助金の対象となりました。

 確実に交付決定を獲得するには、補助金事務局が定義するITツールを数種類うまく組合せて業務効率をアップさせるような取り組みをめざすといいでしょう。

 特に、もしあなたの会社・あなたのお店が、まだワードやエクセルで業務日報や見積書、請求書などの管理をしているような状態であれば、事務処理業務が数倍短縮できるので、すぐにこの補助金を活用して業務効率をアップさせてください。

IT導入補助金の申請にあたっては、自社のIT経営を推進していく中での現状の分析と、課題を認識したうえで、どのようなITツールを導入したら生産性がアップするのかについてプランを作成していく必要があります。この計画を、IT支援事業者と協力して作成をすすめていき、付加価値の向上、労働生産性の向上を実現するための3〜5年間の事業計画を策定し、申請をすることになります。

 この補助金の申請にあたっては、この自社のIT経営上の課題認識と、その課題を解決するための経営計画をいかにうまく作成するかがポイントとなります。さらに、この計画書作成ついては、中小企業診断士、ITコーディネータ、ミラサポ専門相談員、経済産業省認定・経営革新等支援機関などの資格者がこの計画書の作成または確認をする必要があります。

 また、ホームページの制作費用はこの補助金の対象にはなりませんが、2020年のIT導入補助金・C類型ではネットショップの構築は対象となります。公募要領をよく読み込んで、なにが補助金の対象になり、何が対象外なのかをしっかり把握するためにも、導入したいと考えているITツールを提供してもらうベンダーと、よく相談をしながら手続きを進めてください。

IT導入補助金・申請までの流れ

 それでは、このIT導入補助金の申請までの流れについてご説明いたします。

この補助金制度は、補助金交付を受ける「補助事業者」と、補助事業者へITツールの導入をするために事前に事務局に申請し審査に合格した「IT支援事業者」とが協力しながら手続きをすすめるというものです。

  1. IT支援事業者の選定・経営改善/業務改善プランの検討
  2. ITツール登録(導入を希望・予定している商品・サービスをIT支援事業者が登録)
  3. IT補助金申請手続き・経営計画書の作成(電子申請)

 2については申請から登録完了まで2〜3週間程度かかりますので、できる限り早めに取り組み、余裕を持った進行スケジュールで手続きを進めていってください。

 特に、ITツールとして登録できる商品・サービスについては、よく検討して登録を進めてください。オンプレミス製品よりも、クラウドサービスが加点対象なので有利であったり、ソフトウエアだけでなく、ホームページ制作、コンサルティング業務、保守契約、サポート業務も補助金の対象になっているので、ITツールとして登録するのを忘れないようにしてください。

 IT導入補助金は、補助額が30万〜150万円までのA類型と、150万〜450万円までのB類型の2種類に加え、コロナウイルス感染症対策「特別枠」として補助額が30万〜450万円までのC類型が創設されました。C類型の申請要件は、補助対象経費の1/6以上が、以下のいずれかの要件に合致する投資であることとされています。

甲:サプライチェーンの毀損への対応

顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと

    (例:部品調達困難による部品内製化、出荷先営業停止に伴う新規顧客開拓)

乙:非対面型ビジネスモデルへの転換

非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・

システム投資を行うこと (例:店舗販売からEC販売へのシフト、VR・オンラインによるサービス提供)

丙:テレワーク環境の整備

従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること (例:WEB会議システム、PC等を含むシンクライアントシステムの導入)

なお、「通常枠」でも新型コロナウイルス感染症で影響を受けていることを条件に、 テレワークの導入に取り組む場合は、審査において加点という優先的に採択する措置が講じられる場合があります。

また、導入すべきITツールの機能数に関する条件についても異なります。(A類型:1種類以上、B類型:4種類以上、C類型:1種類以上)

そして、本年度から、賃上げ要件が追加となりました。A類型の場合は賃上げ要件は加点項目、B類型については必須要件(B類型:小規模事業者・医療法人・福祉法人などは要件ではなく加点項目)、C類型については申請額・ツール要件によって加点項目と必須要件が異なります。

補助率:1/2(特別枠は、類型A「甲」:2/3、類型B又はC「乙」又は「丙」:3/4)

 例年は、この補助金の対象になるのはソフトウエアのみなのですが、2020年は特別枠に限り、PC・タブレット等のハードウェアにかかるレンタル費用も補助対象となります。さらに、2020年の特別枠に限り、公募前に購入したITツール等についても補助金の対象になります(審査等、一定の条件があります。)

 作成する事業計画については、労働生産性の伸び率が、1年後3%以上、3年後9%以上となるように作成する必要があります。事業計画の作成については、ITコーディネーター、中小企業診断士、経済産業省認定機関など、第三者による総括的な確認を行ってください。

 B類型は賃上げ要件必須、違反の場合は返金ペナルティがありますのでご注意ください。

今回は、2020年のIT支援事業者登録していなければ申請できるので、ITベンダーでも今回はこの補助金を受給することが可能となりました。しかしながら、受給後にはIT支援事業者登録することができなくなりますのでご注意ください。

公募スケジュール( 6次締切)

公募要領公開:4月24日(金) 

申請開始:5月11日(月) 

申請締切: 8月 31日(月)17時

※6次の締切後も申請受付を継続し、令和2年12月下旬までに、複数回 資

  締切りを設け、それまでに申請のあった分を審査し、交付決定を行います。 (制度内容、予定は変更する場合がございます。)

IT導入補助金・電子申請の際に注意することは?

 このIT導入補助金ですが、すべて電子申請となっています。GビズプライムIDという、日本政府が行政手続きの電子化をすすめるために用意したこのプラットフォームを使って申請手続きを進めていくのです。このGビズIDプライムは、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など、その他の補助金の申請の際にもこのアカウント経由で申し込む必要がありますので、この機会にアカウント登録をしたいところです。

 GビズIDプライムの申請は至ってかんたん。自社の法人番号、住所、連絡先などを入力すると、その情報が記入されたPDFファイルが生成されます。そのPDFファイルにあなたな会社の実印を押して、会社の登記簿謄本と一緒に事務局に郵送すると、2週間程度で申込時に登録したメールアドレス宛に、登録が完了したというお知らせが届きます。

 GビズIDにログインする際には、申請時に登録した携帯電話あてにショートメッセージで届くワンタイムパスワードを使ってログインします。

 IT導入補助金は、申請マイページにログインするところからがスタートです。まずはこの補助金の申請を手伝ってもらうIT支援事業者に、申請マイページへの招待メールを送ってもらいましょう。

IT導入補助金・電子申請のステップ

  1. GビズIDプライムに登録
  2. IT支援事業者が、申請マイページ招待メールを発送
  3. 補助事業者が、GビズIDプライムを使って申請マイページにログイン
  4. 補助事業者が事業内容や現状の課題について情報を登録
  5. IT支援事業者が、事業計画と導入するITツールの内容・金額を登録
  6. 補助事業者が5の内容を確認して申請完了

 IT導入補助金の申請をして不採択になる際の最も多い理由はなんだと思いますか?

実は、IT導入補助金の申請が不採択になる最も多い理由は「書き間違い」なんです。

よくある失敗例

  • 会社の登記簿謄本(全部事項証明書)に記載されている住所と実際に営業している住所が違っている
  • 会社の登記簿謄本(全部事項証明書)に記載されている設立年月日(和暦で表記されている)と、申請時に登録した年月日(西暦で書かなければいけない)が異なっている
  • 会社の登記簿謄本(全部事項証明書)に記載されている役員の氏名を書き間違えた
  • 経営計画書の内容を確認してもらった経営専門家の氏名を記述する欄に、補助事業者の担当者の氏名を書いてしまった

こんなケアレスミスが1箇所でもあると、その時点でその後に記述されている経営計画の内容などは、一切審査の対象にならず、即、不採択決定なのです。かんたんな記載ミスが原因で、最大450万円もの補助金が一瞬で消えてしまうんです。申請書の提出時には、くれぐれもご注意くださいね。

まとめ

 いま、日本の中書企業の労働生産性は、先進国の中で最低レベルであると報道されています。この20年の間、欧米の先進国がインターネット革命の影響を受けて労働生産性を数倍から数十倍アップしてきたことと比べて、日本の中小企業・個人事業主の多くは、まだ20年前と同様な仕事のスタイルを続けてきたことが原因だと言われています。

 このIT導入補助金は、20年前からと同じスタイルで業務を続けている中小企業・個人事業主のみなさんのために、少しでも効率よく仕事ができる環境を整えるために用意された補助金制度です。GビズIDプライムのアカウントさえ取得できれば、IT導入補助金の申請作業そのものは1〜2日程度で完了できる簡易な申請手続きです。

 業務効率アップのためのシステム導入は、検討にも、実際の導入にも時間・手間・費用がかかってなかなかすすめることが難しい課題だと思いますが、このような制度を利用することで、時間と費用をうまく節約して、働きやすい、無駄のない職場環境の実現を目指してください。

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この記事を書いた人

こんにちは。中小企業・個人事業主のIT経営力アップのサポート隊長、カトウイチロウです。

1998年からウェブ制作業務をはじめ、業務システムの導入支援、ウェブマーケティング戦略策定サポートなど、中小企業経営者・個人事業主を中心としたクライアントさまのために、売上アップ、業務効率アップのお手伝いをして来ました。

ここ数年は、経済産業省や中小企業庁、商工会議所、自治体、金融機関が推進する、中小企業・個人事業主向けの専門家派遣制度の専門相談員として、地域の経営者と一緒に経営を考える仕事をしています。

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