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ついに発表!事業再構築補助金の概要とは?

2月15日、事業再構築補助金の概要が発表になりました。この資料をもとに、事業再構築補助金の最新情報について勉強会を実施いたしました。

この記事では、この勉強会で紹介した内容について共有していきます。

この補助金のいちばんのキモとなる「事業再構築指針」はまだ公表されていません。これがカギになりそうです。この補助金を狙っている方、今後のこの情報に注意してください。

目次

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、ポスト・ウィズコロナ時代へ対応せんがため、思い切った事業再構築を図る企業を支援するものです。

この補助金、1兆1,485億円の予算がついています。給付される金額は1社あたり100万円から6000万円。過去にない、超大型の補助金事業です。仮に1社あたり1000万円の補助金を配ったとしても、10万社以上に配らなければならない計算です。

満たすべき3つの要件

① 売上が減っていること
  直近の6か月のうち任意の3か月の売り上げが、コロナより前の売り上げと比べて10%以上下がってること。
② 事業再構築指針に従って、事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組むこと。
③ 付加価値額の年率平均3.0%以上増加を達成すること。

※①の任意の3か月は、連続していなくても構いません。

認定支援機関とは

全国で3万以上を数える認定支援機関は、中小企業庁のホームページで検索することができます。

弊社も認定支援機関です。多くの税理士事務所、弁護士事務所、公認会計士、中小企業診断士などが認定支援機関になっています。銀行、信用金庫などの金融機関認定支援機関になっています。

事業再構築補助金の申請に必要な経営計画書は、認定支援機関と一体となって作る必要があります。まずは皆様の契約先の税理士事務所や取引先の信金、地銀に、認定支援機関として一緒に経営計画書を作ってもらえるか尋ねてみましょう。

おそらく信金、地銀には相談が殺到するため、資金調達の対応はするが経営計画の策定までの支援までは対応できないと言われる事態も予想されます。その場合は、弊社のような民間の経営コンサルタントで認定支援機関となっているところを探し、お問い合わせください。

補助対象経費の例

主要経費 建物費(建物の建築・改修に要する経費)、建物撤去費、設備費、システム購入費

関連経費
・外注費(製品開発に要する加工、設計等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)

・研修費(教育訓練費等)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)

・リース費、クラウドサービス費、専門家経費

経済産業省から発表されている補助対象経費の例をよく見ると、

現在の事業を縮小する、もしくは、一部またはすべて辞めた上で、新しい事業に着手するという条件が付帯されているように見受けられます。

今後発表される予定の「事業再構築指針」では、単純に新規事業に着手するというような事業計画では認められない可能性があるかもしれません。
今後の情報に、十分注意してください。

事業計画の策定が命運を分ける

事業再構築補助金の審査は事業計画を基におこなわれます。
合理的で説得力のある、実現性の高い事業計画書を策定できるか否かが命運を分けます。

事業計画書に含めるべきポイントの例

  • 現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性 
  • 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
  • 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法 
  • 実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)

ただの思い付きで新しい事業を始めるのではなく、ビジネス分析、市場調査、競合調査、収支計画を作り込むことが大事です。

申請様式などまだ明らかでない情報もありますが、今すぐ事業計画書を作り始めましょう。過去、いずれの補助金も第一次公募が一番交付決定率が高いという傾向があるからです。過去のIT補助金・ものづくり補助金では、1次公募で6~7割の採択決定率だったことがあります。

補助金支払いまでのプロセス

補助金がもらえるのは、補助金の対象となる経費を支払ったあと、「完了報告」をして承認された後になります。

9000万円の経費を使った後に6000万円が補助してもらえる、というのが補助金というもの。自分の財布から事業全体に必要な経費を先に支払わなければいけないので、慎重な資金計画も必要になります。

今回の事業再構築では、「事前着手承認制度」という制度があります。通常の補助金は、交付決定以後でないと設備等の購入はできません。しかし今回の事業再構築補助金では、公募開始後「事前着手申請」をおこなえば、2/15日以降に購入した設備に関しても後から遡って補助の対象になります。ただし、補助金の申請が不採択になってしまうと補助がもらえない点に注意しましょう。

今から準備可能な事項

公募開始の3月までに準備すべきことは何でしょうか。

電子申請準備

まずはGビズIDプライムの取得です。事業再構築補助金は全て電子申請となります。今後の政府の補助金はこのGビズIDを使用します。まだやっていない方は、今すぐ取得しておきましょう。

事業計画の策定

今回発表された「事業再構築補助金の概要」には、はっきりと「一般的に事業計画の策定には時間がかかります」と明記されています。つまり、「時間をかけて作ったとわかるようなレベルの計画書でないと合格しません」ということが読み取れます。

現時点で、新規事業の経営計画書をまだ作っていなければ、いますぐ認定支援機関である中小企業診断士や弊社のような経営コンサルタントに相談しましょう。

補助金の審査員は中小企業診断士・Tコーディネーターである場合が多いのですが、彼らが学ぶ教科書に載っているような事業計画書が書ければ合格すると考えられます。

質疑応答より

最後に、今回の勉強会の参加者からの質問に対する回答を紹介します。

Q: 経済産業省「新連携事業」に合格して補助金を受けています。重複により対象外にはならないでしょうか?
A: 新連携事業で申請した事業とは異なる事業にて申請するのであれば、応募は可能です。同じ事業に対して2つの補助金を申請することはできません。

Q: システム開発などを資本関係がある会社へ外注することは認められますか?
A: 現時点では不明です。今後発表される公募要領に明記してある内容を確認しましょう。

Q: 認定されるためのポイントは?
A: 実現性の高さ。SWOT分析、競合調査、市場調査などをしっかりおこなって事業計画書を作ることです。

Q: 同じ補助金に2部門を並行して申請できますか?
A: 事業再構築補助金で2部門を並行申請して両方通ったら、片方は捨てなくてはなりません。新規事業の内容は2つあります、というプランであれば申請可能でしょう。

Q: 2015年の経営革新計画の資料は使えますか?
今回の事業再構築補助金の申請には、経営革新計画よりももう少し踏み込んだ内容のものを用意しましょう。事業計画書には新規事業の具体的な収支計画、新事業の将来性などを盛り込みましょう。

まとめ

「補助金申請って難しそう」と感じられたかもしれません。
補助金申請書の作成作業は、いわば国語のテストのようなものです。公募要領に記載されている内容全体が「問題」です。その公募要領に記載の日本語から「解答」すべきことを読み解いて申請書を作成する、という作業となります。3月に発表される公募要領を、しっかり読み込んでください。

補助金を獲得することを目的とするのではなく、これから始める新規事業の成功を第一に考えて新規事業計画を策定してください。

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この記事を書いた人

こんにちは。中小企業・個人事業主のIT経営力アップのサポート隊長、カトウイチロウです。

1998年からウェブ制作業務をはじめ、業務システムの導入支援、ウェブマーケティング戦略策定サポートなど、中小企業経営者・個人事業主を中心としたクライアントさまのために、売上アップ、業務効率アップのお手伝いをして来ました。

ここ数年は、経済産業省や中小企業庁、商工会議所、自治体、金融機関が推進する、中小企業・個人事業主向けの専門家派遣制度の専門相談員として、地域の経営者と一緒に経営を考える仕事をしています。

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